太陽系外から飛来したことが2017年に初めて確認された小天体「オウムアムア」が加速しながら遠ざかったのは、表面下の氷に含まれていた水素ガスが放出された影響の可能性が高いと、米カリフォルニア大とコーネル大の研究チームが22日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。オウムアムアは当初、細長い葉巻形と推定され、不自然と思える動きから異星人の宇宙船との説もあったが、改めて否定した。
オウムアムアの大きさは大望遠鏡で観測してもはっきりせず、現在は縦115メートル、横111メートル、厚さ19メートルぐらいの円盤状ではないかとみられている。別の惑星系で形成されてはじき出された後、太陽系にたどり着くまでに長年、宇宙の放射線にさらされたため、氷の内部で水素ガスが発生。太陽に接近して温度が上昇し、外に放出されたと考えられる。
太陽系の外縁部から太陽に接近する彗星(すいせい)の場合は、大量のガスやちりを放出して本体を包む「コマ」や長い「尾」ができる。オウムアムアは彗星に比べて非常に小さいため、少量の水素ガスの放出でも加速したり、軌道が変わったりするという。
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